隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

不実在探偵の推理

井上悠宇氏の不実在探偵の推理を読んだ。これを最初に読んだときは、この小説も特殊設定もののミステリーだと思った。この小説の特徴はタイトルにもある通り、探偵が不実在なのだ。どいう事かというと、大学生の菊理現が黒い箱の中にあるダイスを見て、質問…

無限の月

須藤古都離氏の無限の月を読んだ。1の「満月」と2の「新月」を読んでも、話がどういうところに進んでいくのか全然見えなかった。「満月」は中国のどこかの田舎の話で、ヨーロッパから来たカメラマンを案内する中国人が最後の所でパソコンに表示される「助け…

ロバのスーコと旅をする

高田晃太郎氏のロバのスーコと旅をするを読んだ。何とも不思議な旅行記だった。どう考えても、ロバと徒歩で旅をしたいがために旅に出たような感じがする。最初は、今回が初めてのロバとの旅なのかと思ったら、実は既にロバと旅をしたことがあり、どうしても…

時計泥棒と悪人たち

夕木春央氏の時計泥棒と悪人たちを読んだ。この本は長編小説だろうと思っていたのだが、実は連作短編小説だった。タイトルにある時計泥棒の2人組が色々な謎を解くストリーになっている。収録作品は「加右衛門氏の美術館」、「悪人一家の密室」、「誘拐と大雪…

アリアドネの声

井上真偽氏のアリアドネの声を読んだ。今まで読んだ作品はミステリーばかりだったが、この作品はミステリーではなかった。障碍者支援を前面に押し出したジオフロント都市「WANOKUNI」で、巨大地震が発生した。運が悪いことに都市地下にある地下鉄に一人の女…

可燃物

米澤穂信氏の可燃物を読んだ。本書は群馬県警の捜査一課葛警部が主人公の連作短編ミステリーだ。収録作は「崖の下」、「ねむけ」、「命の恩」、「可燃物」、「本物か」の5編。葛が部下の集めてきた情報をもとに事件を組み立てるのだが、何か引っかかりを覚え…

未来から来た男 ジョン・フォン・ノイマン

アナニヨ・バッタチャリヤの未来から来た男 ジョン・フォン・ノイマン (原題 THE MAN FROM THE FUTURE The Visionary Life of John von Neumann)を読んだ。フォン・ノイマンと言われて真っ先に思い出すのはノイマン型コンピュータで、未だに我々はこのアーキ…

動くはずのない死体

森川智喜氏の動くはずのない死体を読んだ。これは短編ミステリーで、「幸せという小鳥たち、希望という鳴き声」、「フーダニット・リセプション 名探偵粍島桁郎、虫に食われる」、「動くはずのない死体」、「悪運が来りて笛を吹く」、「ロックトルーム・ブギ…