隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

ロバのスーコと旅をする

高田晃太郎氏のロバのスーコと旅をするを読んだ。何とも不思議な旅行記だった。どう考えても、ロバと徒歩で旅をしたいがために旅に出たような感じがする。最初は、今回が初めてのロバとの旅なのかと思ったら、実は既にロバと旅をしたことがあり、どうしてもまたロバと旅がしたくて、会社を辞めて旅に出たという感じがする。しかも、どこを旅するかというのも最初から綿密に決めていたわけではないような感じだ。まず、イランから旅を始めるというのが漠然とあっただけのようだ。さすがに現地でロバが手に入るかどうかは事前に調べていたようではる。しかし、旅に出たのが、ようやく新型コロナウィルスが小康状態になりつつあった2022年の3月で、何となくいてもたってもいられなく旅に出たような印象を受ける。

当然旅の途中で色々なことが起きるが、最初のイランの地で最初に手に入れたロバはあっけなく3日で死んでしまう。その後手に入れたロバは元気で旅をつづけたが、結局なんだかよくわからない理由で旅は続けられなくなってしまう。この本を読む限りイラン人は日本人には親切なようだが、ちょっとイランを徒歩で旅をするのはかなり勇気がいるのではないかと思った。しかも、この著者はアフガニスタンのザラ族に似ているようで、アフガン人に悪感情を持つイラン人に邪険にされている。

イランでの旅が続けられなく、ロバと別れて、自転車でコーカサスからトルコに入り、またそこで新たなロバを手に入れている。この旅は移動が徒歩なのであまり金がかからないだろうが、ロバを買ったり、ロバの餌代とか結構金がかかっているのじゃないかと思う。