隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

無限の月

須藤古都離氏の無限の月を読んだ。1の「満月」と2の「新月」を読んでも、話がどういうところに進んでいくのか全然見えなかった。「満月」は中国のどこかの田舎の話で、ヨーロッパから来たカメラマンを案内する中国人が最後の所でパソコンに表示される「助けてくれ、警察に連絡」という文字を見る。それが一転して「新月」では日本の話になり、怪我をして入院してる女性の話になる。亭主が浮気しているのではないかと疑っているようなのだ。それで、やけ酒を飲んで、階段で足を踏み外して、怪我をして入院することになった。

ここまでのストーリーだとなんだかよくわからない。1と2も全然つながりがない。3の「三日月」を読んでようやく、ストーリーがわかり始めた。amazonのあらすじを見ても、そこから先のことは書かれていないので、書いてしまっていいのかという気がする。だが、書かないとなんのこっちゃの物語だろう。ネタバレになってしまうと思うので、これ以上は書かないでおく。ただ、この構成だと1と2で脱落する人も出てしまうのではと思ってしまった。それと、最後の本書のタイトルにもなっている「無限の月」は、そんなことでも起きない限り、我々は争いを止められないのではないかと思ってしまう。