隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

あしたはひとりにしてくれ

竹宮ゆゆこ氏のあしたはひとりにしてくれを読んだ。主人公の月岡瑛人は東京都内の難関と言われている男子校の高校二年生。子供の頃から親を困らせることもなく育ってきて、「いいこ」で過ごしてきた。そんな瑛人はおばけに見られている感覚にとらわれていた…

慶安の触書は出されたのか

山本英二氏の慶安の触書は出されたかを読んだ。タイトルから推測するに、慶安の触書は出されなかったというのが筆者の主張であろうというのは読む前にわかってたが、では「慶安の触書」と呼ばれていたものは一体何だったのだろう?後世につくられた偽書なのだ…

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何かの折に面白そうな本を見つけたときは、だいたいamazonのほしいものリストに追加しておく。多数溜まってきたら、エクセルのシートにコピーする。ほしいものリストは全ての本がいっぺんに見られないからだ。本を読もうと思った時はだいたいそのエクセルの…

騙しの天才―世界贋作物語

桐生操氏の騙しの天才―世界贋作物語を読んだ。タイトルに「世界贋作物語」とついているので、美術品に関する贋作の話が収録されていると思ったのだが、実際は詐欺師・ペテン師の話が殆どで、美術品に関する贋作の話は、 フェルメールの贋作者 モナ・リザ盗難…

朝井まかて氏の眩を読んだ。NHKで葛飾北斎の娘応為をモデルにしたドラマを放送していて、面白かったので原作を読んでみた。NHKのドラマは75分ほどの時間なので、原作のほんの一部分を取り出して再構成をしたような印象だ。原作はお栄の結婚生活が破たんする…

0120979598からの電話

昨日から0120979598の番号からしつこく電話がかかってきている。最初にかかってきたのは10月10日の10時38分ごろ。この時間帯は散歩に出ていたので、家にいなかった。 次にかかってきたのは、同じく10日の18時32分ごろ。この時は家にいたが、フリーダイヤルの…

一次史料にみる関ヶ原の戦い(改訂版)

高橋陽介氏の一次史料にみる関ヶ原の戦い(改訂版)を読んだ。本書は2015年に自費出版した「一次史料にみる関ヶ原の戦い」を増補・改定した本である。著者は一次史料を読む際の心がけとして、 関ヶ原の戦いが徳川と豊臣の戦いであるという先入観、あるいは関ヶ…

疾れ、新蔵

志水辰夫氏の「疾れ、新蔵」を読んだ。時代小説という体裁をとっているが、読んでみた印象では、どちらかというと冒険小説だと感じた。目指すは越後岩船の春日荘。主人公の新蔵は酒匂家での須河幾一郎の急死の報に接し、かねてから打ち合わせていた通り、江…

ゲームの王国

小川哲氏のゲームの王国を読んだ。このSF小説は一体どう理解すればいいのだろう? 本書は上巻・下巻に分かれており、上巻は約400ページ、下巻は約360ページの紛れもない大長編なのだが、上巻を読む限りは、これをSF小説と呼んでいいのだろうかと、疑問が湧い…