ジェフリー・フォードの最後の三角形 (原題 THE LAST TRIANGLE AND OTHER STORIES)を読んだ。作品のジャンルとしては幻想文学だと思うが、SF寄りの作品だったり、ミステリーのような作品だったり、ホラーテイストの作品だったりと色々な作品が14編収録されている。一番面白かったのは最初にある「アイスクリーム帝国」だった。これは共感覚に関する物語なのだと思って読んでいると、どちらが表でどちらが裏なのかわからなくなるような二重構造になっているストーリーだった。「ナイト・ウィスキー」も面白かった。町に伝わる死苺から作られる酒とそれにまつわる不思議な出来事で終わると思いきや最後の最後でホラーに振ってくるあたりが興味深い。「星椋鳥の飛翔」も猟奇的な殺人事件が入り口で、途中でマッドサイエンス的に変遷していって、最後はホラーという終わり方になっていて、予想しない方向に物語が進んでいって、飽きさせない構成だった。