隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

科学

外来種のホント・ウソを科学する

ケン・トムソンの外来種のウソ・ホントを科学する(原題 Where Do Camels Belong?)を読んだ。今年の夏は日本でもヒアリが確認されて、外来生物のことがニュースに取り上げられることも多かった。外来生物というと、どうも不法外国人やら不法難民と関連させて…

先生、それって「量子」の仕業ですか?

大関真之氏の「先生、それって「量子」の仕業ですか?」を読んだ。量子力学に興味があるが、難しい本を読んでも理解が追い付かないと思い、初心者向けの本を選んだのだが、あまりにも初心者向けで、あまり得るところがなかった。本の選択はなかなか難しい。興…

ウニはすごい バッタもすごい - デザインの生物学

本川達雄先生のウニはすごい バッタもすごい - デザインの生物学を読んだ。本川先生と言えば、「ゾウの時間ネズミの時間」を昔読んで、非常に面白かった記憶があり、本書も手に取ってみた。本書もかなり面白かった。本書はいろいろな動物の体の仕組みや生態…

心を操る寄生生物 : 感情から文化・社会まで

キャスリン・マコーリフの心を操る寄生生物(原題 This Is Your Brain on Parasites)を読んだ。本書を一言でいうなら、我々の行動は寄生生物によってコントロールされているというのだ。本書は大きく2つに分かれる。 寄生生物が我々の生物の中で何をしている…

生物はウイルスが進化させた

武村政春氏の生物はウイルスが進化させたを読んだ。本書に書かれているのは近年発見された巨大ウイルスから得られて知見とそれらの知見から筆者らが導き出した仮説である。まず、前半部分は巨大ウイルスのことが述べられている。 巨大ウイルス ウイルスなと…

マインド・タイム 脳と意識の時間

ベンジャミン・リベットの「マインド・タイム 脳と意識の時間」を読んだのだが、非常に残念だった。この本で語られることは以下の2点である(本書P232より抜粋)。 被験者は脳内の感覚伝導路(上行路)に電気的な刺激を受けます。十分に長い時間継続する連発した…

メカ屋のための脳科学入門-脳をリバースエンジニアリングする-

高橋宏知氏のメカ屋のための脳科学入門-脳をリバースエンジニアリングする-を読んだ。本書を読む前は、どちらかというと読み物的な本なのかと思って読み始めたのだが、それよりは専門的な内容で、残念ながら深く理解できたとは言えない。著者は機械系の学生…

量子力学で生命の謎を解く

量子力学と生物がいったいどのような関係があるのか不思議に思って読んでみた。量子力学というとトンネル効果とか波動関数とか、わかるようなわからないような話で、それが生物とどういう関係があるのだろうか? まず、第一章で登場するのはヨーロッパコマド…