隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

SF

404 Not Found

法条遥氏の404 Not Foundを読んだ。例外小説で紹介されていた小説の中の一編だ。 池上裕也は2回死んだ。クラスメートの九条晶に告白し、振られ、そして父親の経営する会社のビルの屋上から飛び降りて、自殺した。しかし、なぜか同じ朝を3度繰り返してしまう…

カムパネルラ

山田正紀氏のカムパネルラを読んだ。本書のタイトルから分かる通り、この小説は宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」と密接に関係している。 我々の世界と似ているけれどもちょっと違った世界での物語。16歳のぼくは母の遺言を履行するために、新幹線で岩手県の花巻に…

リアクト

法条遥氏のリアクトを読んだ。本作はリライト、リビジョンに次ぐ3作目である。本作で一条保彦が園田保彦になる部分が描かれると思っていたのだが、それは誤りで、もう一度リライトの世界を再構築する物語となっている。 本作では新たにホタルという未来から…

リビジョン

法条遥氏のリビジョンを読んだ。この作品はリライトの数か月後(1992年の秋)の世界を舞台にしており、園田保彦の誕生を描く物語になっている。 千秋家の女性に代々受け継がれている不思議な手鏡がある。この手鏡を使うと未来を視ることができるのだ。この視る…

リライト

法条遥氏のリライトを読んだ。例外小説 - 隠居日録で見つけたうちの一冊で、これはタイムトラベラー物のSF小説だ。 1992年の夏、中学2年生の美雪は、未来からやって来た保彦と出会う。旧校舎崩壊事故に巻き込まれた彼を救うため、10年後に跳んで携帯電話を持…

デカルトの密室

瀬名秀明氏のデカルトの密室を読んだ。SFにカテゴライズされると思うのだが、ミステリー要素も含まれている。が、実際に明確に謎が解決されるわけではない。ストーリーの中にいくつかの謎が示唆されている例えば、第一章の最後でケイイチがフランシーヌをを…

屍者たちの帝国

去年、映画「屍者の帝国」を見た後に買ったと記憶している。当時は、この中から2~3編を読んだだけで、その後読書を中断していた。 2編目の「小ねずみと童貞と復活した女」がハチャメチャで面白い。ドストエフスキーの「白痴」とダニエルキースの「アルジャ…