新井潤美氏の英語の階級 執事は「上流の英語」を話すのか?を読んだ。イギリス英語は落とし穴だらけ - 隠居日録を読んだときにも感じたが、イギリス英語はややこしい、というかめんどくさいと改めて感じた。階級により、使う単語、言い回し、アクセントが違うのだから、ややっこしいのだが、それよりも何よりも、まず、それぞれのクラスについて、明確に定義してもらいたかった。アッパークラス、ミドルクラス、ローワークラス、ワーキングクラスと言っても、なんとなくイメージはあるが、明確にどのような人がどこに属するのか正確には分からない。アッパークラスに関しては「土地を持ち、その収益によって暮らすことができる人々」と書かれていた。要するに昔の貴族階級の人たちだろうが、今時土地からの収益だけでは生活は成り立たないと思う。ローワークラスとワーキングクラスはほぼ同じ意味だろうが、これは端的に肉体労働に従事する労働者ととらえていいのだろうか。ミドルクラスはその間に属するとするとかなりの人たちがここに属すると思われるのだが、そういう理解であったいるのかちょっとよくわからない。
初対面の挨拶で、"How do you do?"を言う・言わないという議論をよく目にするが、本書によると、この表現はアッパークラスの表現で、そうだとすると使う人がそもそも限られているという事だろ。だが、ミドルクラス、ローワークラスがどのように言っているのかが本書には書かれていないので、その点は気になるところだ。
本書にアッパークラスと非アッパークラスの使う単語の例が載っているのだが、
Upper | Non Upper | |
false teeth | dentures | 入れ歯 |
table-napkin | serviette | ナプキン |
looking-glass | mirror | 鏡 |
writing-oaoer | note-paper | 便箋 |
scent | perfume | 香水 |