隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

エレファントヘッド

白井智之氏のエレファントヘッドを読んだ。

本書は特殊設定のミステリーなのだが、その設定というのがちょっと予想もしないものだった。ネタバレ厳禁となっているので、書くのがはばかられる。プロローグで文哉という妄想症の精神病患者が出てきたので、そこで起きた事件は妄想の類なのかと思ったのだが、それは物語内事実だった。これも解決しなければならない謎の一部だ。そして、1 前兆からメインの物語が始まるのだが、途中まではこれは読んでいて気分が悪くなるなぁと思っていた。ところが、この小説の特殊設定が明らかになった辺りから、俄然面白くなってきた。この特殊設定により支配される物語内の法則の世界で、どのように事件が起きていくのか全く想像ができなかった。ただ、4だと思っていたのが5だったというところの説明はよくわからなかった。読んでいてひどく頭が混乱した。この特殊設定を超えるようなミステリーも早々出てこないだろう。それが読後の感想だ。