隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

戦国と宗教

神田千里氏の戦国と宗教を読んだ。 戦国大名と信仰 勝ち上がりの条件 - 隠居日録において軍師が呪術的な側面を帯びていたことが言及されていたが、戦争という行為自体が呪術を必要としており、戦場に臨むものは神仏の加護を必要とし、お守りを携行していた。…

経済成長という呪い

ダニエル・コーエンの経済成長という呪い(原題 Le Monde Est Clos Et Le Désir Infini)を読んだ。本書はダニエル・コーエンが人類史の歩みとともに、我々がたどり着いた現代の経済のありようを解説する本である。ここ最近私は資本主義の終焉を感じているのだ…

怪盗 桐山の藤兵衛の正体 八州廻り桑山十兵衛

佐藤雅美氏の怪盗 桐山の藤兵衛の正体 八州廻り桑山十兵衛 を読んだ。この八州廻り桑山十兵衛のシリーズも長く続いており、本書で十冊目だ。一作目の「八州廻り桑山十兵衛」が出版されたのが平成八年なので、二十年以上も続いてる。主人公の桑山十兵衛は通称…

世界神話学説入門

後藤明氏の世界神話学入門を読んだ。世界の遠く離れた場所であるにも関わらず、非常によく似た神話がることが知られている。例えば古事記のイザナキが黄泉の国を訪ねてイザナミを取り戻す話と、ギリシャ神話のオルフェウスの話のように。本書は近年提唱され…

本人に訊く〈弐〉おまたせ激突篇

椎名誠氏・目黒孝二氏の本人に訊く〈弐〉おまたせ激突篇 を読んだ。本書は本人に訊く〈壱〉よろしく懐旧篇 - 隠居日録の続編で、あとがきを読むと本シリーズは全4冊を予定しているようだ。本書も椎名誠氏の全著作を盟友目黒孝二氏が読み、著者本人の椎名誠氏…

勝ち上がりの条件

半藤一利氏と磯田道史先生の勝ち上がりの条件 軍師・参謀の作法を読んだ。本書は半藤一利氏と磯田道史先生の対談になっており、軍師・参謀について色々語っている。本書の副題に「軍師・参謀」と書かれている。まずこれについての言及がある。どちらも組織の…

図書室のピーナッツ

竹内真氏の図書室のピーナッツを読んだ。これは図書室のキリギリスの続編で、高校の図書室で本にまつわる日常の謎のミステリーだ。ストリーも前作の直後から始まっていて、完全なる続編と言った感じになっている。本作も連作短編で、サンタクロースの証明、…

図書室のキリギリス

竹内真氏の図書室のキリギリスを読んだ。高良詩織は大学時代の友人の井本つぐみのつてで高校の学校司書の職に就いた。詩織の夫が突如失踪して3年が経ち、法定離婚事由が成立し、離婚届が受理された。それを機に新たに職を探し始めたところ、運よく学校司書と…

コーヒーが冷めないうちに

川口俊和氏の コーヒーが冷めないうちに を読んだ。この小説は短編連作になっていて、4編のストーリー(恋人、夫婦、姉妹、親子)が収録されている。各ストーリーは独立してはいるものの、登場人物が共通しており、あるストーリでのちょっとした出来事が次の…