隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

本心

平野啓一郎氏の本心を読んだ。この作品は北上ラジオの第36回で紹介されていた。たっぷり楽しませてくれる平野啓一郎『本心』(文藝春秋)を読むべし!【北上ラジオ#36】 - YouTube物語は母子家庭で育った主人公の石川朔也が亡くなった母の喪失感を埋めるため…

消失の惑星

ジュリア・フィリップスの消失の惑星ほし(原題 DISAPPEARING EARTH)を読んだ。本書はロシアのカムチャッカ半島を舞台にしている小説なので、ロシア人の作家が書いた小説だと思っていたのだが、作者のフィリップスはアメリカ人だ。高校生の頃からロシアに興味…

沙漠と青のアルゴリズム

森晶麿氏の沙漠と青のアルゴリズムを読んだ。この物語は色々なストーリーが多層的に積み重なっていて、かなり読み進めないと、どれが物語的事実で、どれが物語的虚構なのかよくわからなくて、なかなか理解するのに苦労した。この状況は本書でも著者により、…

犬神家の戸籍

遠藤正敬氏の犬神家の戸籍を読んだ。言わずと知れた横溝正史の犬神家の一族をネタ元にして、戸籍制度について論じた本だ。犬神家の一族はフィクションであり、横溝正史がどこまで法律の知識を持っていたかはわからないので、厳密に突っ込みを入れるのも野暮…

ディープラーニング 学習する機械 ヤン・ルカン、人工知能を語る

ヤン・ルカンの「ディープラーニング 学習する機械 ヤン・ルカン、人工知能を語る」を読んだ。本書はヤン・ルカンの研究者としてのこれまでの歩みを語りつつ、ディープラーニングの内容について易しく概要を説明している。畳み込みニューラルネットに関して…

絞め殺しの樹

河崎秋子氏の絞め殺しの樹を読んだ。この作品は北上ラジオの第43回で紹介されていた。 最後には根源的な力がむくむくと湧いてくる『絞め殺しの樹』川﨑秋子(小学館)を手に取るべし!【北上ラジオ#43】 - YouTube何とも物騒なタイトルの小説だというのが、…