隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

パトレイバー初期OVA第五話の雪のシーン

youtubeを眺めていたら、出渕さんが出ている以下の動画が出てきた。それで、それを見た。

www.youtube.comここ

その中でパトレイバー初期OVAの第五話に触れていて、本編を久しぶりに見たくなった。私が持っているのは約30年前に買ったLDなのだが、さすがにプレイヤーがそろそろ動作が怪しくなるだろうからと(実際フロントローディングには問題が発生して、うまくトレーが出てこなくなっている)、数年前にデジタル化した。パトレイバー初期OVAは今まで何度も見ているが、ここ10年ぐらいは見ていなかった。とはいえ、ストーリーの大まかなところは記憶しているはずなのだが、今回見直していて今まで気づいていないことがあった。それが第五話での雪のシーンだ。

物語の後半で、後藤隊長が南雲隊長を電話で呼び出すシーンなのだが、南雲隊長は傘をさしているので雨が降っていると思われる。ただし、画面上では雨が降っているかどうか確認できない。

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車の中で二人で交わしているシーンでは、結構な大きさの白いものが左上から右下に落ちて行っている。大きさからいって雪ではないだろうかと思う。

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この場面でも外は雪が降っていると思われる。

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ここで会話が終わって、南雲隊長が車の外に出るのだが、さっきまで降っていたと思われる雪はない。

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そして、後藤隊長が「しのぶさん」といった辺りで雪が降り出すのだ。

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これは車の中から見えているのは本当は雨にすべきだったのが、点が大きすぎて雪に見えるようになってしまったのではなかろうか?

 

さよなら妖精(単行本新装版)

米澤穂信氏のさよなら妖精を読んだ。主な登場人物は守屋路行、大刀洗万智、白河いずる、文原竹彦、そしてマーヤ。守屋と大刀洗は雨の降る日に偶然雨宿りしていたマーヤと出会う。そこから物語が始まった。だが、語られる物語は時間軸をさかのぼることになる。マーヤはユーゴスラヴィアから日本の守屋達が住んでいた藤柴市にやってきて、2か月の時を過ごした。そして、ユーゴスラヴィアに帰っていたが、その時ユーゴスラヴィアは内戦に揺れていた。マーヤはユーゴスラヴィアのどの共和国に帰るかを告げずに、日本を離れた。ユーゴスラヴィアに帰ったら、手紙を書くと白河と約束していたが、15か月たっても手紙は届かない。

守屋と白河は過去の記憶を頼りに、マーヤがどの共和国から来たのか推理しようとする。彼女が比較的安全な共和国・地域にいれば、たとえ手紙が来なくても、安心できるからだ。大刀洗も誘ったが、「もう忘れたこと」と言って、参加しようとしない。文原も用事があるので参加できないという。守屋と白河は、守屋の書いていた日記を頼りに、マーヤとの出会いから物語を再びなぞり始める。そこで語られる物語の中に、マーヤの故郷の何らかのヒントがあるはずだから。

このストーリーは青春小説でもあり、ミステリーでもある。だから、過去の物語もマーヤの故郷のことがそれとなくちりばめられており、それをもとに守屋はマーヤの故郷を推理していく。でも、最後に待ち受けているのは悲しい現実だった。そして、今回刊行された新装版には新たに書き下ろされた短編が最後に収録されており、それはその日の出来事の直前であることが暗に示唆されている。

今回「王とサーカス」を読む前に、大刀洗万智が共通する登場人物なので、こちらを最初に読んでおいた方がいいかと思い読んだのだが、それを抜きにしても、面白いミステリーだった。あと、英語のタイトルの"The seventh hope"もいいなぁと感じた。