隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

嘘の木

フランシス・ハーディングの嘘の木(原題 The Lie Tree)を読んだ。訳者あとがきによると、本書はイギリスで出版されて、現地の児童文学賞の候補になったり、児童文学賞を受賞したりしているということなので、児童文学の範疇に入るのだろうが、単純な児童文学…

もういちど読む 山川 日本史史料

もういちど読む 山川日本史史料を読んだ。本書は山川出版の詳説日本史に掲載されている史料のうち48点を選んで解説している。史料は現代語訳されており、解説も付いているので読みやすいのだが、原文もぜひ載せてほしかった。 大化の改新の詔 日本史のツボ -…

戦国合戦の舞台裏

盛本昌広氏の戦国合戦の舞台裏を読んだ。後方支援とか兵站が戦国時代どの様であったのだろうかという興味から本書を読んだのだが、本書のカバーしている範囲が意外と広く、後方支援とか兵站に関しては触れていることは触れているのだが、知りたいと思ってい…

カラー図解 Raspberry Piではじめる機械学習 基礎からディープラーニングまで

Raspberry Piではじめる機械学習をつらつらと眺めてみたのだが、「果たしてどんなものなのだろう? Raspberry Piがどれぐらい使えるのだろうか?」というのが率直な疑問だ。なぜRaspberry Piを用いるかの理由として筆者は以下の3点を挙げている。 Linux系OS Py…

プラネタリウムの外側

早瀬耕氏のプラネタリウムの外側を読んだ。本書は連作短編で非常に不思議な小説群なのだが、それに負けづ劣らず作者の経歴も不思議だ。1992年の4月に「グリフォンズ・ガーデン」が早川書房から刊行され作者はデビューした。新人賞を取ったわけでもないのに、…

戦国史の俗説を覆す

戦国史の俗説を覆すを読んだ。本書は比較的よく知られている定説が実は誤っていたということをまとめた本である。取り上げられているトピックは以下の通り。 本当の鉄砲伝来はいつだったのか 川中島の戦いは何回行われたのか 信長の「天下」は日本全国を指す…

英語のこころ

マーク・ピーターセンの英語のこころを読んだ。相変わらずいろいろ知らないことを発見した。 英語のism どうも私には英語の~ismという単語を見た時には、直観的に~主義に相当するものだと思い込んでしまうのだが、最近よく使われている英語ではこの対応が当…

書架の探偵

ジーン ウルフの書架の探偵(原題 A Borrowed Man)を読んだ。 本書の主人公はE.A.スミス。職業は蔵者。蔵者とは蔵書になぞらえた言葉で、図書館に備えられている再生体(リクローン)で、その時代に蘇った文学者のことである。最初のE.A.スミスはミステリーの作…