隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ライフ・アフター・ライフ

ケイト・アトキンソンのライフ・アフター・ライフ(原題 Life After Life)を読んだ。あらすじをちらりと見たら、ループ物と書かれていたので、SFなのかと思い読んだのだが、SFではなかった。主人公はアーシュラ・トッド。彼女は1910年2月に生まれたのだが、生…

幕末江戸と外国人

吉崎雅規氏の幕末江戸と外国人を読んだ。江戸時代にいつ頃から外国人が住んでいたのかに関しては正直なところよく知らなかった。安政五(1858)年六月十九日日米修好通商条約が結ばれるが、この条約の第一条に、 合衆国の大統領は江戸に居留するヂプロマチーキ…

統計の歴史

オリヴィエ・レイの統計の歴史(原題 Quand le monde s'est fait nombre)を読んだ。日本語のタイトルは統計の歴史となっているが、フランス語の原題は「世界が数になったら」という意味で、こちらの方が内容をよく表していると思う。というのも、統計に関して…

三体III 死神永生

劉慈欣氏の三体III 死神永生を読んだ。三体シリーズの最終巻だが、2巻目の最後があのような形で終わって、一体どいう展開になるのだろうと思って読み始めたのだが、最初に「時の外の過去」の部分があって、これも何かの仕掛けなのだろうと読み、その次がいき…

生命はデジタルでできている 情報から見た新しい生命像

田口善弘氏の生命はデジタルでできているを読んだ。本書はゲノムを情報処理装置に見立て、解説をしたものだ。 セントラルドクマ セントラルドクマとは基本原理とか中心教義として日本語に訳され、その意味するところはDNA→RNA→タンパクという順に情報が伝達…

中世ヨーロッパ ファクトとフィクション

ウィンストン・ブラックの中世ヨーロッパ ファクトとフィクション(原題 The Middle Ages: Facts and Fictions)を読んだ。この本が指摘するように、確かに「中世暗黒時代」というイメージは自分も持っていた。教会の権力が強大で何もかも支配して、一般民衆は…

麻薬と人間 100年の物語

ヨハン・ハリの麻薬と人間 100年の物語(原題 Chasing the Scream: The First and Last Days of the War on Drugs)を読んだ。この本に書かれていることは自分がなんとなく麻薬について理解していたことと全く違っていて、読み終わってもちょっと頭の整理がつ…