小川一水氏のアリスマ王の愛した魔物を読んだ。
ここで紹介されていて、
book.asahi.com
面白そうだと思ったので、読んでみたのだが、文体との相性が悪いのか、あまり楽しめなかった。本書は短編集で、5編収録されてる。各タイトルは、ろーどそうるず、ゴールデンブレッド、アリスマ王の愛した魔物、星のみなとのオペレーター、リグ・ライト―機械が愛する権利。
ろーどそうるずはバイクにメンテナンスのためのデータ収集用のAI的なものが搭載されていて、データーセンター側のAIと通信するという設定なのだが、データー収集のためにAIが必要な理由が思い浮かばず、必要最低限のデーターなのでバイク側に搭載されているセンサーにもかなり制約がある状況もあって、その部分が引っ掛かって、ストーリーが楽しめなかった。
この中では、最後のリグ・ライトがまぁまぁ面白かったような気がしたのだが、改めて文章を書き出したら、このストリーもちょっと妙だな。四季美は亡くなった祖父の遺産分けで車がもらえることになり、それを原付に乗って取りに行くのだが、車には若い美人の女性が乗っていて、車庫から車を出そうとしているところだった。実はこの女性はアンドロイドで、車には勝手に改造されたレベル5の自動運転機能があるのだが、公称はレベル3プラスの自動運転なので誰か運転者が必要だということで、このアンドロイドが運転手代わりとなって、運転席に座っているのだった。四季美は車の運転ができないのに、遺産の車を原付で取りに行くという設定自体もなんだか妙だ。そこを差っ引けば、それなりに面白かった。