隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

経済で謎を解く関ヶ原の戦い

武田知弘氏の経済で謎を解く 関ヶ原の戦いを読んだ。

本書の内容だが、

日本史最大のミステリーである関ヶ原の謎も、「経済」の視点で読み解くと、スッキリ見えてくる。歴史好き必読の一冊!

と紹介されている。しかし、そんなに難しいというかあまり経済的な側面から論じられているとも思われない。また、巻末にはかなりの参考文献が載せられているのだが、いったいどの資料をどこでどのように参考にしているのか、本文を読んでいて非常にわかりにくかった。例えば、「石田三成襲撃事件の首謀者は細川忠興」という論を展開しているのだが(P95辺り)、参考にした資料について触れていないので、状況証拠から筆者が導き出した推論なのか、何か裏付けとなる資料があるのか判然としない。また、「秀吉が征夷大将軍にならなかった理由(P119)」では、「武士の土地所有を認めず、古来の土地管理方法であるすべての土地は朝廷のものにすることを考えていた」というのだが、これも何を根拠にこの推測を展開しているのかわからなかった。

他には、石田三成が堺を抑えていて、家康に軍事物資が渡らないようにしていたのだろうと推測しているが、この部分は本人も記録は残っていないと書いているので、他の部分よりは良心的か。

全体的に読んでみて、筆者による推測の域を出ない話なのか、資料的裏付けがある話なのか判然としないので、あまりいい書とは言えないと思う。