隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

赤毛のアンのマシュウの死因がショック死だったことにショックを受ける

今更ながらYoutubeのマクガイヤーゼミの高畑勲追悼会「追悼高畑勲 勲の犯した罪と罰」を見ていたら、

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赤毛のアンのアニメに関して言及している個所があり、「マシュウはお金を預けていた銀行が倒産したのでショック死した。これは原作通りだ」というような話をしていて(1時間3分ごろ)、「え、そんな理由だった?」と疑問がむくむくと湧いてきた。実は一時期赤毛のアンにはまっていた時期があり、それは映画の赤毛のアンを見たことがきっかけだった。

filmarks.com

赤毛のアンという存在は知っていたが、ストリーは全く知らず、こんな話たっだのかぁと興味を持った。この映画をきっかけに村岡花子の日本語訳の本も読んだのだが、その場面のことは全然記憶に残っていなかった。小説の方は一度しか読んでいないが、映画の方は何度も見返しているので、映画での場面の記憶の方が頭に残っている。アンがクイーンズカレジッからグリーンゲーブルズに戻ってきて、農場をマシュウと歩いていると、急にマシュウが心臓を抑えて倒れるというような場面が、映画では描かれている。

映画を改めて見てみると、マシュウの抑えているのは心臓というより腕か脇のように見える。

では、小説の方はどうかと言うと、日本語の小説はもう手元にないので、Project Gutenbergの英語の原作の文章を調べてみた。

Anne of Green Gables by L. M. Montgomery | Project Gutenberg

CHAPTER XXXVII. The Reaper Whose Name Is Death
...
When the doctor came he said that death had been instantaneous and probably painless, caused in all likelihood by some sudden shock. The secret of the shock was discovered to be in the paper Matthew had held and which Martin had brought from the office that morning. It contained an account of the failure of the Abbey Bank.

となっている。なんてこった。映画での場面とは全く違う。小説では最初にマシュウの異変に気付いたのもマリラになっているし。そして、映画ではこの後マリラが家も農場も手放さなければならないようなことをアンに話していて、「何か話がちょっと飛躍しているなぁ、そんなに借金があったのだろうか?」的なことが頭に浮かんでいたのだが、小説を読んでもその疑問が埋められず、記憶に定着していなかったということだ。それにしても、銀行破たんでショック死というのは、ちょっとあまりにも生々しいなぁ。

全くの余談であるが、上記の映画赤毛のアンであるが、実は本国ではテレビ番組として製作されたようだ。

Anne of Green Gables @ imdb.com

また、カナダでは新しいテレビシリーズ「Anne with an "E"」も最近製作されたようだ。

Anne With An E @ imdb.com


この新しいテレビシリーズは2020年9月13日から11月1日にNHKで放送された。
www.nhk.jp
今回のファーストシーズンの8回の放送の最終回で、マシュウは心臓発作で倒れるが、奇跡的に復活した。ただ、物語の中でグリーンゲーブルの一家は多額の借金の返済を迫られれているところで終わってしまい、この先一体どうなるのだろうというところで終わっている。新たにやって来た下宿人も物語を大きくかき回してくれるのだろう。早く続きを放送してほしい。2021年9月12日より第2シーズンが始まる。

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最終シーズンであるシーズン3の放送もシーズン2の直後の2021年11月218日から始まり、2022年3月6日に放送が終了した。
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このシーズン後に打ち切りが決定したので、物語は中途半端なところで終わっている。