隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

シネマの神は細部に宿る

押井守監督のシネマの神は細部に宿るを読んだ。

本書は、押井監督が語り手となり、映画ライターと渡辺麻紀氏を聞き役にして、押井監督が好きなものという切り口で映画を語るインタービューをまとめたものである。押井監督が好きなものと言うと想像もつくだろうが、バセットハウンド、猫、ファッション、ごはん、モンスター、暗器、日本刀、モーゼル・ミリタリー、スナイパーライフル、ヘリコプター、戦車、潜水艦というラインナップで、最後に好きな女優、好きな男優というおまけ的なものがついている。

面白いのが、ファッションの所で、「いきなりセーラー服は好きじゃない。いかがわしい」という話を始める。セーラー服は上が水平の制服(男性の服)で下がスカート(女性の服)でアンバランスだというのだ。で、このアンバランスさが、倒錯していて欲情させると分析する。そして、その延長線上で、「愛の嵐」の話になるのだが、この項目を読んでいて、私もこのポスターの事を思い出した。映画の公開は1975年で、いまから43年前なので、当時私は10歳ぐらい。すっかり忘れていた映画だが、このくだりを読んで、記憶がよみがえっていたぐらい印象的だったのだが、当然映画は見ていないはずだ。では、どこでどのようにこのポスターを目にしたのだろうか?全然覚えていないが、あのポスターだけはなんか記憶に残っていた。

あと、戦車の所。「フューリー」の一シーンの話で、「彼は隊に来たとき、戦車の中を洗うんだけど、よく見ると、死んだ兵士の顔の皮膚の半分がへばりついている。戦車の中はそういうものなんです。下手すると血だらけ。鉄の塊の中に生身で人間が乗っているわけだから、どこかにぶつけただけで出血する。弾が入ってくると壁に当たって跳ね回るし、破片も襲ってくる。危険極まりない空間なんですよ。下部のハッチはそういうものを洗い流すためにもある」と書かれていて、戦車は人間の乗る地上兵器としては最悪なのではないかと思った。