隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

invert II 覗き窓の死角

相沢沙呼氏のinvert II 覗き窓の死角を読んだ。城塚翡翠シリーズの3作目。本作も倒叙ミステリーになっていて、中編2作が収録されており、タイトルはそれぞれ、「生者の言伝」、「覗き窓ファインダーの死角」。

「生者の言伝」は翡翠と真が山道を走っている時に車が不調になってしまった。折り悪く台風がやってきていて、ロードサービスも翌朝にならないと来てくれない。仕方なく、二人は途中で見かけて別荘に避難させてもらおうと向かったのだが、そこで事件が起きていた。この作品は2階建ての倒叙ミステリーで、犯人と思しき少年の身に何が起きたのか少年自身がよくわかっていないという設定になっている。ただこの作品で、なぜあの少年があそにいたのかがよくわからなかった。「覗き窓ファインダーの死角」はアリバイ崩しのミステリーで、翡翠がアリバイを証明する人物として犯人に選ばれてしまったところが物語の味噌。詳細は当然書けないが、彼女がアリバイの証人でなければ解決の出来ない事件になっている。

2022年の10月から1作目と2作目をもとにしたドラマをテレビで放送していて、録画してみているのだが、1時時間の枠ではなんとなくストーリが駆け足になっているような気がしている。といって、多分前後編の2時間にすると長いような気もするし、「信用ならない目撃者」のドラマ化はどうするのだろう?