2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧
ベルンハルト・シュリンクの別れの色彩 (原題 Abschiedsfarben)を読んだ。本書は短編集で、「人工知能」、「アンナとのピクニック」、「姉弟の音楽」、「ペンダント」、「愛娘」、「島で過ごした夏」、「ダニエル、マイ・ブラザー」、「老いたるがゆえのシミ…
ローラン・ビネの言語の七番目の機能(原題 La septième fonction du langage)を読んだ。ビネの第2作目の作品で、本書には実在の人物が多数登場する架空の物語だ。1980年、フランスの哲学者、記号学者、作家であるロラン・バルトが交通事故に遇い、病院に担ぎ…
ポール・ハルパーンのシンクロニシティ 科学と非科学の間に (原題 SYNCHORNICITY)を読んだ。synchronicityという英単語の意味は同時性とか同時発生というような意味だが、この本では「意味のある偶然の一致」を意味している。本書で出てくる例としては、「都…
陸秋槎氏のガーンズバック変換を読んだ。早川書房から出版されていて、「著者初のSF作品集」という事にはなっているが、そんなにハードなSF作品ではない。収録されているのは、「サンクチュアリ」、「物語の歌い手」、「三つの演奏会用練習曲」、「開かれた…
ローラン・ビネのHHhH (プラハ、1942年) (原題 HHhH)を読んだ。この小説のタイトルは何とも言えないような奇妙なものとなっている。どのように呼んでいいのかわからない。作者がフランス人なので、アッシュ・アッシュ・アッシュ・アッシュなのか、それとも、…
青山文平氏の本売る日々を読んだ。本書は短編集で、「本を売る日々」、「鬼に食われた女ひと」、「初めての開板」の3編が収録されている。主人公は松月平助という本屋の男である。本と言っても、彼が扱っているのは「物之本」で、仏書、漢籍、歌学書、儒学書…
伏尾美紀氏の数学の女王を読んだ。本作は北緯43度のコールドケース - 隠居日録の続編ではあるが、前作を読んでいなくても問題なく、この小説を読めるようになっている。今回では新札幌に新設された北日本科学大学大学院で発生した爆弾事件の謎を追うことにな…
ポール・ケインの七つの裏切り (原題 SEVEN SLAYERS)を読んだ。確か朝日新聞の書評で紹介されていて興味を持ったのが読もうと思ったきっかけだったと思う。驚かされる知略に満ちた「11文字の檻 青崎有吾短編集成」など村上貴史が薦める新刊文庫3点|好書…