隠居日録

隠居日録

2016年(世にいう平成28年)、発作的に会社を辞め、隠居生活に入る。日々を読書と散歩に費やす

NanoPi NEO2 NAS kitのHDDが壊れたかもしれない

「HDDが壊れたかもしれない」と書いているのは100%確信がないからで、今までHDDが壊れた時はセクターへのリード・ライトが失敗して、エラーが表示されるというわかりやすい問題が発生したか、そもそもドライブがスピンしなくなって、全く使えなくなった場合しか経験していないかった。1月4日にFreeBSDの日次セキュリティチェックが不審な状況を検出したことがそもそもの発端と言える。パッケージでインストールしたソフトのチェックサムがおかしくなったようで、大量にエラーが検出された。何も変更していないので、なぜそんなことが起きたのだろうと思ったが、それほど深刻には考えなかった。その後、定時に実行しているジョブの終了結果のメールが送られていないので、実行に失敗したのかと思ってNAS kitにログインして調べてみると、ジョブは実行されているのがファイルの生成状況からわかった。という事はメールが送れなかったという事だが、この時点でもまだ状況がわからず、色々調べていると、ジョブの結果から重要な部分をフィルタリングして、メールを送るperlスクリプトコンパイルエラーで実行できないのが分かった。理由はモジュールが発見できないからだ。

ここで、ようやくパッケージのチェックサムの問題がこのperlスクリプトの問題とリンクしているの気づいた。どうやらファイルシステムが壊れているようなのだ。FreeBSDの日次セキュリティチェックのメールをもう一度よく見ると、"Checking negative group permissions"でもエラーが検出されていて、そこで検出されたエラーがperlスクリプトで使うモジュールであり、そのモジュールはチェックサムの照合でもエラーが発生している。

"Checking negative group permissions"のエラーは実は昨年の12月18日にも発生していて、その時は何が起きているか調べているうちに、NAS kitがリブートしてしまい、ファイルシステムがおかしくなって立ち上がらくなってしまった。今回も同様にリブートして、立ち上がらなくなってしまった。

HDDはsmartmontoolsでチェックするようにしていて、週1回のショートセルフテストと、月1回のロングセルフテストを実行して、エラーは検出されていない。12月18日にファイルシステムが壊れた後にもチェックしたが、エラーは検出されなかったので、そのままHDDをフォーマットして使いまわしていたのだが、2週間程度で再度おかしくなったという事は、きっと壊れたのだろう。HDDのattributeを読みだしてみると、UDMAのエラーが2回検出されているのだが、この値が問題発生以前には0だったかどうかがわからない。

199 UDMA_CRC_Error_Count 0x0032 200 200 000 Old_age Always - 2

今度は新しいHDDを買ってきてFreeBSDをインストールしたが、これでもエラーが発生したら、NAS kitがおかしいという事になるだろう。新年早々厄介なことだが、暫く様子を見るしかない。

底惚れ

青山文平氏の底惚れを読んだ。読み始めてすぐ、「これは読んだことがあるぞ」と強烈な既視感に襲われた。もう一度タイトルを見た。出版日も見直した。最近出版された本だ。しかし、このストーリーは「江戸染まぬ」じゃないか。でも、短編ではない。どうやら、「江戸染まぬ」を出だしにて、その後に書き加えて長編にしたようだ。江戸染まぬのあの刺された男が死なずに生き延びたらどうなるのだろうかという物語だ。

ある種成り上がりの物語でもあるのだろう。だが、単純にそうとも言えない。「江戸染まぬ」では芳の思っていたことと男が考えていたことが決定的に違って、悲劇が訪れるが、この物語でも、男がこうだろうと思って、芳のためにやろうとしたこと・やったことと、物語では芳がどのように暮らしているかは明確には書かれていないが、多分芳の身に起きていたことが決定的に違っていて、そのギャップが面白い。「なぜ入江町に」というのは男が勝手に考えたことで、さして根拠があるわけではない。ただそこに願をかけて突っ走った果ての行きついた先だ。これでこの男は「江戸染まぬ」から抜け出られたのだろうとは思う。

全くの余談だが、女郎屋の割床が一部屋を屏風などの衝立で区切っただけというのは知らなかった。