東川篤哉氏のライオンの歌が聞こえるを読んだ。本書は平塚おんな探偵の事件簿シリーズの第二弾。前回と同様に探偵のエルザと助手の美伽のコンビが事件を解決していく。
今回も短編集で4作収録されている。この回の各話のタイトルはそのものズバリ物語を言い表している。
- 亀とライオン
- 亀の愛好家武田幸彦がカミツキガメのミツキちゃんがいなくなったので捜索してほしいと依頼をしてきた。一週間捜して見つからなかったところ、武田から相模川でミツキちゃんを見たという連絡を受けたという報告が入った。エルザと美伽も相模川に駆け付けると、武田は殺されていたのだった。だがなぜか靴と靴下をはいていなかった。
- 轢き逃げは珈琲の香り
- 競輪場で知り合ったおばあさんがひき逃げ事件に巻き込まれた。幸い命に別条はなかったが、なぜかおばあさんにはコーヒーが匂いが漂っている。
- 首吊り死体と南京錠の謎
- 内側から南京錠でロックされている登山部の部室で女子学生が首吊り自殺をしているのが発見された。どうやら首吊り自殺したのは松原美咲のようで、10日前に湘南平の展望台の金網から南京錠を回収したのはエルザだったのだ。
- 消えたフィアットを捜して
- 高校時代の後輩からの依頼は奇妙なものだった。夜中にランドクルーザーで砂浜を失踪中にフィアットと衝突したようなのだが、なぜかその事故の跡形が何もないというのだ。
この中では第二話の「轢き逃げは珈琲の香り」が面白かった。なぜコーヒーがかかっていたのかというところを糸口にして推理を進め、うまく話をまとめていると思った。