2021-01-01から1年間の記事一覧
斜線堂有紀氏の詐欺師は天使の顔をしてを読んだ。本書は特殊状況ミステリーだ。2つの中編のミステリーが収録されている。子規冴昼は一世を風靡した霊能力者だったが、突然失踪してしまった。マネージャーの呉塚要も八方手を尽くして探したが、その行方は杳と…
アネッテ・ヘスのレストラン「ドイツ亭」(原題 DEUTSCHES HAUS)を読んだ。本書はフランクフルト・アウシュビッツ裁判をテーマにしたフィクションで、1963年ドイツのフランクフルトで開かれたムルカ等の裁判に偶然ポーランド語の通訳として参加することになっ…
稲葉一広氏の戯作屋伴内捕物ばなしを読んだ。本書は時代小説とミステリーを融合したハヤカワ時代ミステリ文庫でハヤカワ文庫JAの中のサブカテゴリなのだと思う。2019年の夏から刊行を開始しているようだ。本書の主人公は戯作者(本人は戯作屋と称しているが)…
タラ・ウェストーバーのエデュケーション 大学は私の人生を変えた (原題 Educated A Memoir)を読んだ。この本の内容は衝撃的だった。そして、不謹慎にも非常に面白かった。なぜ、不謹慎かというと、英語の原題にあるようにこの本は回顧録だからで、記憶の齟…
FreeBSD 13.0にarm64上で12.2から更新しようとして失敗した。12.2はTier 1ではサポートされていない。ブート専用のSD cardを作った。 Create boot only SD card for FreeBSD 13.0 whose original SD card image employs GPT partition scheme.
ハンナ・ティンティの父を撃った12の銃弾 (原題 THE TWELVE LIVES OF SAMUEL HAWLEY)を読んだ。本書は北上ラジオ第31回で紹介されていた。出たぞ!断言!! ハンナ・ティンティ『父を撃った12の銃弾』は2021年のベスト1だ!【おすすめ本/北上ラジオ#31】 - Y…
藤野可織氏のピエタとトランジ を読んだ。ピエタがトランジと巡り合ったのは、彼女たちが17歳の時だった。ピエタの通っていた高校にトランジが転校してきたのだ。この物語は、それからの二人の物語だ。ピエタもトランジもニックネームで、本名がそのような音…
砂原浩太朗氏の高瀬庄左衛門御留書を読んだ。本書は北上ラジオの第28回で紹介されていた。砂原浩太朗『高瀬庄左衛門御留書』は、まだ1月だけど2021年のベスト1と言いたいくらいの素晴らしい時代小説だ!【おすすめ本/北上ラジオ#28】 - YouTube高瀬庄…
佐藤究氏のテスカトリポカを読んだ。今回の小説は暗黒小説だ。物語はメキシコから始まる。ルシア・セプルベダはメキシコの麻薬カルテルに牛耳られた故郷クリアカンを捨て、アカプルコに出た。そこの食堂で働いていた同僚の「日本に行く」という言葉に影響さ…
ピーター・ヘラーの燃える川(原題 The River)を読んだ。この作品は北上ラジオの第29回で紹介されていた。 ピーター・ヘラー『燃える川』の山火事の描写におののくぞ!【おすすめ本/北上ラジオ#29】 - YouTubeこの小説の主要な途上人物は非常に少なく、6人だ…
斜線堂有紀氏のゴールデンタイムの消費期限を読んだ。何の前知識もなく読み始めた。様々な分野から天才少年・少女がどこかの山奥の山荘に「レミントン・プロジェクト」のために集められてるところから物語が始まる。主人公の綴喜文彰は高校生小説家なのだが…
坂井豊貴氏の多数決を疑うを読んだ。子供のころから何かを決めるときには、最終的には選択肢の中から選んで投票し、多数を獲得したものを選ぶという事を何回も行ってきて、その正当性には別に疑問には思っていなかった。まれに、全会一致とか、3分の2以上の…
トーマス・C・フォスターの大学教授のように小説を読む方法 (原題 How to Read Literature Like a Professor)を読んだ。ここでいう大学教授とはアメリカの大学の英米文学科の教授のことだ。小説、あるいは物語の裏に一体どういう著者の意図があるのか?とい…
リニューアル後のYahooテレビ番組表はJSONデータを基にページを生成している。google apps scriptでも取得可能。取得したJSONデータ内には、囲み漢字があり、囲み漢字を普通の漢字に変換しようとしたら、codePointAtではまった
押井守監督の押井守の映画50年50本を読んだ。1968年から2017年までの間の映画から原則1年に1本5を選んで、その映画に関して押井監督が語るという内容の本。押井監督が語りたいと思うということが選択の基準でり、必ずしも優れた作品が選ばれているわけではな…
ユニティ・ダウの隠された悲鳴(原題 The Screaming of the Innocent)を読んだ。アフリカのボツワナのハファーラという村でネオという名の12歳の少女が行方不明になった。村人や警察が1週間かけて捜査したが、行方はつかめず、死体も発見できなかった。その後…
更科功氏の残酷な進化論を読んだ。本書は人体をメインテーマにした、進化にまつわる読み物だ。 タンパク質の捨て方 私達が食べる食物の中の有機物は、殆どが糖、脂肪、タンパク質である。このうち糖と脂肪が分解されると主に二酸化炭素と水になり、毒性がな…
彩坂美月氏の向日葵を手折るを読んだ。本書は北上ラジオの第30回目で紹介されていた。 彩坂美月『向日葵を手折る』は青春小説とミステリーホラーを見事に融合した大注目作だ!【おすすめ本/北上ラジオ#30】 - YouTube物語は、小学六年生の高橋みのりが山形…
多和田葉子氏の星に仄めかされてを読んだ。本書は地球に散りばめられての続編だ。前作はヨーロッパを縦断して目まぐるしく移動していたが、今度の小説ではあまり移動はしていない。ドイツ組のアカッシュ、ノラ、ナヌークがドイツのトリアーからデンマークの…
多和田葉子氏の地球にちりばめられてを読んだ。スウェーデンに留学中に故郷がなくなってしまったHirukoが、スカンジナビア半島で暮らすために、スウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語を混ぜ合わせてパンスカという新しい言葉を生み出した。そのHiruko…
東川篤哉氏の谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題を読んだ。本書は鰯のツミレならぬ岩篠つみれが狂言回しとなっている短編ミステリー。岩篠つみれの兄が岩篠なめ郎で、その兄は鰯の吾郎という鰯専門の海鮮居酒屋を谷中で開いている。その谷中を舞台にし…
桐野夏生氏の日没を読んだ。ある日、総務省文化局文芸倫理向上委員会というところから小説家のマッツ夢井の許に封筒が届いた。心当たりがない役所からもので、見た感じ嫌な予感がして、中を開けると、召喚状が出てきた。主旨は、読者からの提訴について審議…
五十嵐貴久氏の命の砦を読んだ。本書は北上ラジオの24回で紹介されていた。五十嵐貴久『命の砦』(祥伝社)は、超興奮の極みで息つく暇のないパニック小説だ!【おすすめ本/北上ラジオ#24】 - YouTubeこの本も実は「女性消防士・神谷夏美シリーズ」の三冊目…
山本博文先生の「関ヶ原」の決算書を読んだ。山本先生の多分最後の本だと思う。本書は決算書と書かれているが、決算書というのはちょっと微妙な表現だと思う。というのも、歴史的な史料として、各大名がどれぐらいの資金を関ヶ原の合戦に費やしたかは存在し…
ジョージ・オーウェルの一九八四年 (原題 NINETEEN EIGHTY-FOUR)を読んだ。ディストピア小説の古典中の古典だが、今まで読んだことがなかった。今回読んだのは2009年に出版された新訳版だ。1948年に1984年の未来を描いた小説だが、オーウェル自身はこれが198…
川戸貴史氏の戦国大名の経済学を読んだ。本書は戦国時代を戦国大名の領国経営という観点から概説したものだ。ちょっと意外だったのは、寺社の方には収支を記録した帳簿が残っているのだが、戦国大名に関してはそのような帳簿は残っておらず、もともと存在し…
宇佐美まこと氏の夜の声を聴くを読んだ。この作品は北上ラジオの第23回で紹介されていた。宇佐美まこと『夜の声を聴く』(朝日文庫)は、つらく悲しいドラマの先に素晴らしい読後感が待っている魔法のような小説だ!【おすすめ本/北上ラジオ#23】 - YouTube…
深緑野分氏のオーブランの少女を読んだ。著者のデビュー短編集で、「オーブランの少女」、「仮面」、「大雨とトマト」、「片思い」、「氷の皇国」の5編が収録されている。それぞれ、異なった味わいの短編なのだが、あえて言えば、最初の「オーブランの少女」…
押井守監督と野田真外氏の対談の書籍化である押井守監督が語る映画で学ぶ現代史を読んだ。これはもともとは日経BPのサイトに連載されていたものの書籍化だ。business.nikkei.comこの本が出版され後でもサイトの内容は読めるようになっている。ただし、本書は…
カリン・スローターの贖いのリミット(原題 THE KEPT WOMAN)を読んだ。この作品は北上ラジオ第12回で紹介されていた。年末年始の休みは『贖いのリミット』カリン・スローターを読むためにあるのだ! 北上次郎「北上ラジオ」第12回 Presented by 本の雑誌社 - …