2018-01-01から1年間の記事一覧
Raspberry Piではじめる機械学習をつらつらと眺めてみたのだが、「果たしてどんなものなのだろう? Raspberry Piがどれぐらい使えるのだろうか?」というのが率直な疑問だ。なぜRaspberry Piを用いるかの理由として筆者は以下の3点を挙げている。 Linux系OS Py…
早瀬耕氏のプラネタリウムの外側を読んだ。本書は連作短編で非常に不思議な小説群なのだが、それに負けづ劣らず作者の経歴も不思議だ。1992年の4月に「グリフォンズ・ガーデン」が早川書房から刊行され作者はデビューした。新人賞を取ったわけでもないのに、…
戦国史の俗説を覆すを読んだ。本書は比較的よく知られている定説が実は誤っていたということをまとめた本である。取り上げられているトピックは以下の通り。 本当の鉄砲伝来はいつだったのか 川中島の戦いは何回行われたのか 信長の「天下」は日本全国を指す…
マーク・ピーターセンの英語のこころを読んだ。相変わらずいろいろ知らないことを発見した。 英語のism どうも私には英語の~ismという単語を見た時には、直観的に~主義に相当するものだと思い込んでしまうのだが、最近よく使われている英語ではこの対応が当…
ジーン ウルフの書架の探偵(原題 A Borrowed Man)を読んだ。 本書の主人公はE.A.スミス。職業は蔵者。蔵者とは蔵書になぞらえた言葉で、図書館に備えられている再生体(リクローン)で、その時代に蘇った文学者のことである。最初のE.A.スミスはミステリーの作…
本郷和人先生の日本史のツボを読んだ。本書は7つの項目から日本史を俯瞰しようという試みで、7つの項目とは、天皇、宗教、土地、軍事、地域、女性、経済の項目だ。と言っても、これらの項目は互いに結びついているので、完全独立には論じることができないの…
斜線堂有紀氏の「キネマ探偵カレイドミステリー ~輪転不変のフォールアウト~」を読んだ。キネマ探偵シリーズの三冊目。この巻でこのシリーズも終了を迎えたのだと思うがどうなのだろう。続きを書くことは可能だと思うが、いずれにしても、一つの区切りをつけ…
相沢沙呼氏のマツリカ・マトリョシカを読んだ。2017年8月にこのシリーズのマツリカ・マジョルカとマツリカ・マハリタ を読んだのだが、その時はもともとの単行本の出版から時間が空いているから、このシリーズはもう出ないのだろうなと思っていた。だが、そ…
須田桃子氏の 合成生物学の衝撃を読んだ。本書は毎日新聞社の記者である須田氏が米国留学中に研究・取材した「合成生物学」に関する内容を一冊にまとめたものである。合成生物学とは、人為的に遺伝子のセットを作り人工的な生命を作ったり、あるいは遺伝子を…
京極夏彦氏の虚談を読んだ。京極氏の作品を読むのは本当に久しぶりだ。最後に読んだのがいつだったか思い出せないぐらいだ。この作品は怪談ならぬ虚談だ。物語は怪談のように話として語られていくのだが、ストーリーの中で突然嘘が出てくる。そうすることで…
井上真偽氏の 聖女の毒杯 その可能性はすでに考えたを読んだ。本書は奇跡を探求する上笠シリーズの2作目。今回は前半部分の事件発生編の所には上笠は全然登場しない。前巻にも登場していた元中国マフィアの一員、現在金貸しのフーリンとフーリンにくっついて…
井上真偽市のその可能性はすでに考えたを読んだ。これは非常にユニークで面白い構成のミステリーだ。タイトルの「その可能性はすでに考えた」は探偵役のお決まりのセリフ。この小説の探偵役は上苙丞は外見は以下のように記述され、 見た目は碧眼白皙の美青年…
桐原健真氏の吉田松陰: 「日本」を発見した思想家を読んだ。本書は吉田松陰の思想がどのように変遷したかが主眼になっていて、吉田松陰自身の生涯にはあまり詳しくは触れていない。とはいっても、生い立ちなどはその人の人格を形成するうえでも重要であるの…
ピーター・トレメインの修道女フィデルマの洞察を読んだ。本書はの主人公のフィデルマは修道女であり、アイルランド5王国のひとつモアン国の王位継承予定者の妹であり、法廷弁護士(ドーリィー)でもある。しかも、場合によっては裁判官として判決を下すことも…
エリック・H. クラインのB.C.1177 古代グローバル文明の崩壊 (原題 1177 B.C. The Year Civilization Collapsed)を読んだ。この本は紀元前3000年頃から始まる青銅器時代にメソポタミアから地中海東岸にかけて栄えていた文明が、紀元前1200年ごろから突如消滅…
野崎まど氏のバビロン 3 ―終―を読んだ。今回の舞台はいきなりアメリカになっており、アメリカ大統領アレキサンダー・W・ウッドの視点を中心に語られる。日本の新域に呼応してか、世界の各地で自殺都市宣言する地方自治体が現れ始めた。世界的に自殺は是か非…
野崎まど氏のバビロン 2 ―死―を読んだ。新域の初代首長である斎開化は「自殺する権利」を認める自殺法を新域の首長の専権処分である「掌決」を用いて施行した(これにより、自殺法は議会による追認だけを得ればよいことになる)。そしてそれに呼応したのか、新…
野崎まど氏の バビロン 1 ―女―を読んだ。現時点で、本シリーズは3冊目まで出ているが、一冊目を読んだ印象では、この物語は今後どこへ向かっていくのか全く先が読めない。最初、この物語は東京地検特捜部の検事正崎善が製薬会社「日本スピリ」が大学を巻き込…
伊坂幸太郎氏のホワイトラビットを読んだ。なぜこの本のタイトルがホワイトラビットかというと、この小説がいわゆる白兎事件を扱っているからだ。白兎事件は本書の中で起きる事件であるので、もちろん架空の事件だ。兎田孝則という名前の男がいた。褒められ…
カズオ・イシグロ氏の忘れられた巨人(原題 The Buried Giant)を読んだ。本書の舞台は古代のイギリス。(もしアーサー王がいたなら、その)アーサー王が去ってからのイギリスが舞台になっている。そこには悪鬼、妖精、ドラゴンなどが登場し、ファンタジーの色合…
福岡伸一先生の動的平衡3 チャンスは準備された心にのみ降り立つを読んだ。いつのまにかシリーズの3作目が出ていたようだ。2を読んだときにはすでに3が出ていたことに全然気づいていなかった。 「飲めない水」の謎 かなり古い話になるが、私が大学を卒業して…
武田知弘氏の経済で謎を解く 関ヶ原の戦いを読んだ。本書の内容だが、 日本史最大のミステリーである関ヶ原の謎も、「経済」の視点で読み解くと、スッキリ見えてくる。歴史好き必読の一冊! と紹介されている。しかし、そんなに難しいというかあまり経済的な…
アンドリ・S.マグナソンの タイムボックス(原題 Tímakistan)を読んだ。本書は児童文学の範疇に含まれると思われる。物語は現代と地続きのような世界から始まる。そこでは経済危機が起こっていて、誰にもその解決策が見つからない。そんな時に世の中に登場し…
斜線堂有紀氏のキネマ探偵カレイドミステリー ~再演奇縁のアンコール~を読んだ。これはキネマ探偵カレイドミステリー - 隠居日録の続編で、探偵役は引きこもりの嗄井戸高久、語りで探偵助手役は奈緒崎と前作と同様。本書には3編収録されており、前作と同様に…
石川宗生氏の 半分世界を読んだ。本書は短編集で、4編収録されており、それぞれ、「吉田同名」、「半分世界」、「白黒ダービー小史」、「バス停夜想曲、あるいはロッタリー999」となっている。本書はSFというカテゴリーに分類されているが、単純にSFと言って…
カズオ イシグロ氏の わたしたちが孤児だったころ(原題 When We Were Orphans)を読んだ。この本のあらすじは 1900年代初め、上海の租界で暮らしていたクリストファー・バンクスは十歳で孤児となった。貿易会社に勤める父と、強い倫理観をもつ美しい母が、相…
perlで日本語の文字化けが起きてしまい、はまってしまった。よく考えてみたら、前に一度同じ理由ではまったことがあり(その時はSQLiteに書き込む際の値が文字化けした)、自戒を込めて記録しておく。よく、perlに関する説明で、「日本語を処理するときは、(内…
押井守監督の誰も語らなかったジブリを語ろうを読んだ。本書は押井監督がジブリの全作品について好きなように語った内容をまとめたものである。押井監督自身はまえがきでジブリに対する悪口ではないと書いてある。たしかに宮崎監督に関してはアニメータとし…
ピーター・トレメインの修道女フィデルマの叡智を読んだ。この小説も以下のページで紹介されていたフィデルマシリーズの一編。 池澤春菜が薦める文庫この新刊!|好書好日 本書の主人公で探偵役のフィデルマは実にユニークな設定になっている。時代は7世紀頃…
小川一水氏のアリスマ王の愛した魔物を読んだ。ここで紹介されていて、 book.asahi.com 面白そうだと思ったので、読んでみたのだが、文体との相性が悪いのか、あまり楽しめなかった。本書は短編集で、5編収録されてる。各タイトルは、ろーどそうるず、ゴール…